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宮城県岩沼市三色吉字水神

 一条天皇の永祚元年(989)、京都の三条に住む小鍛冶宗近が、天皇の刀をつくることを命じられ、名水を訪ねて諸国を旅していた。

その折、この三色吉の地を訪れたところ、水神宮のほとりを流れる水の清らかさに心をうたれ、さっそく神前に参篭し、名刀の完成を祈願した上で刀作りにとりかかった。 ところが、あまりにカエルが鳴くは、水は汚すわで、どうしようもない。そこで、考えに考えた宗近は、雌雄一対となった金蛇をつくり水中に投げ入れたところ、それまでうるさくてどうしようもなかったカエルどもは、ピッタリとなりをひそめ、宗近は心を込めて宝刀を鍛える事ができた。

そこで宗近は心願の成就を神に感謝し、この金蛇を水神宮に奉納し、帰京の途についたという。以来、金蛇水神社として今日に至っている。

金蛇水神社は、古来、厄除開運、商売繁盛、金運円満、海上安全の神として多くの信仰を集め、境内には千三百株の牡丹が植栽されいる牡丹園があり、また九龍の藤と名付けられている巨大な藤もあり、季節には見事な花を咲かせる。