宮城県仙台市若林区連坊一丁目…栽松院

 

栽松院境内には猫塚がある。ここに伝えられる猫と大蛇の伝説は、仙台の南小泉、利府町、川崎町など、時代や登場人物が変わっただけの形で伝えられている。しかし、伊達家の重臣、片倉家との関わりの伝説はリアルで、実際にあった話とも思え、この話に、後日、猫と大蛇の話が付け加わったのかもしれない。

 

・大蛇から奥方を守った猫

仙台城下の武士の奥方が、一匹の猫をたいそう可愛がっていた。しかしこの猫が、あるときから、奥方につきまとい、厠に行くときにも離れず、厠では奇妙なうなり声さえあげるようになった。家人らは次第にこれを気味悪く思うようになり、この家の主が、ある日たまりかねて、この猫の首を刎ねてしまった。すると猫の首は、厠の天井裏に飛び込み、天井裏で壮絶な争う物音がした。物音が静まった後にこの家の主が天井裏を見てみると、大きな蛇が死んでおり、その鎌首にこの家の猫の首が食らい付いていた。主と奥方は、猫を殺してしまったことを悔い、塚を立て手厚く葬ったと云う。

 

・片倉家と猫

昔、川内追廻に馬乗役の草刈昌之丞という侍が住んでいた。昌之丞は一匹の猫を飼っていたが、その猫が、隣屋敷の片倉小十郎の鶏を再度にわたって取って食った。これを怒った片倉家の家士が、ある日塀の上で日向ぼっこをしているこの猫を鉄砲で撃ち殺してしまった。片倉家は、伊達家きっての重臣であったので、昌之丞は抗議することもできず、この愛猫のために猫塚を建て、手厚く弔った。昔は、この寺の歴代の住持も片倉家に遠慮し、猫塚の由来を問われても答えないならわしであったという。

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