宮城県仙台市青葉区栗生五丁目

 

愛子バイパスを山形方面に進み、JR仙山線陸前落合駅前のT字交差点を北に入り西に曲がった辺りに一間四面のお堂がある。これが鬼子母神堂である。

古文書には「盗人神(ぬすっとがみ)」との記載もあり、また唖神(おっつがみ)ともいわれて来た。祭の夜は、信者の家長が袴を着けた礼装で、家族とも一切口をきかず、代々伝わった供物の膳に葦の茎の箸一二膳の束を添え 、縁側の雨戸一枚開けた所から用意した草履をはいて戸外におり、音もなく捧げに行く。お詣りの往復に他人に見付からないように、信者同志でも逢わないように、口をきかずに無言で、かくれしのぶようにお詣りをする習わし になっている。

堂内に祀られている御本尊は、20cm程の木像で、右手に幼児を抱き、左手にザクロの実を捧げた立像で、聖母マリア像を思わせる。祭日の8月15日はマリアの昇天の日だといい、また供物の12膳の箸は、キリストの12使徒を連想させる。このようなことから、この鬼子母神堂は、隠れ切支丹信仰と関連して考える説もある。

また、この堂の南側には、切支丹だったと伝えられる五郎八姫の屋敷跡があり、さらにこの地一帯には、かつてライ病患者が住んでいるとの風説があり、この地にあまり人を近づけたくなかった藩の意図とも推測できる。

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