スポンサーリンク

宮城県七ヶ浜町花渕…鼻節神社境内

震災前取材

花渕崎の海上三里程沖 の岩礁に、かつて二つの祠があった。しかし地震による地盤の変化により海に沈んだという。この鼻節神社境内にある二つの祠は、現在は海中にある大根明神の遥拝所である。

この大根明神が没した場所は、潮が白く折れ曲がり、海底には社殿や鳥居の形をした岩が立っているという。これを大根の明神と呼び、漁師がうっかりこの上を航行すると、漁船は必ず遭難すると言われ、その近くを通ると波の合間から機を織る音がすると伝えられる。

昔、嵐にあった船の水夫たちが、この神に祈ったところ船は無事、浜に到着した。見ると、船底に無数のアワビが付着し、船体の破れを防いでいたという。今でも大根明神の神事では、アワビを神前に供える習いがあるという。