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宮城県利府町中央2丁目

震災前取材

利府は梨の名産地であるが、この地で栽培されている梨の品種は、主に「長十郎」である。この利府梨は、明治17年(1884)、日野藤吉がこの地に持ち込んだ。

藤吉は約20アールの水田を畑に変え、150本の梨の木を植えた。これが利府における梨栽培の始まりだった。この時日野藤吉は33歳だったが、その後も品種の改良と栽培の普及に一生を費やし、大正14年(1925)、77歳で亡くなった。

この日野藤吉のパイオニア精神を称え、頌徳碑がたてられた。この碑のそばに梨の古木がある。これは藤吉が始めにこの地に持ち込んだ「真鍮梨」150本の内の一本である。駅前の整備によりこの場所に移植され、今でも元気で秋には枝いっぱいにたわわな実をつける。