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宮城県東松島市宮戸推山

震災前取材

 

推定樹齢:約700年、地上:1.5m、幹回り:4.5m、樹高:約15m

大浜唐船番所跡にある番ヶ森途中のむろの木は、ヒノキ科に属する常緑樹でイブキ、またはイブキビャクシンともよばれ温暖の海岸に生息する木。万葉集に大伴旅人が「吾が妹と見し鞆の浦のむろの木は常世にあれどみし人ぞなき」と詠じているところから、この木は昔から人とのかかわりあいがあったものと考えられる。

この地のむろの木は、独特の樹形と枝ぶりと木の肌をもっている。 土地の人々の言い伝えによると、護良親王が奥州下向の途中宮戸に上陸、この地で筆に使われたむろの木の枝を土中にさしたところ、根がつき現在のむろの木になったと伝えられ、「お筆むろ」と呼ばれている。

この木は長年の風雪に耐え現在は幹の裏側は空洞化し、三本の枝のうち二本は枯死し、一本だけが南面に樹冠をのばして偉容を誇っている。しかし、今は樹勢に衰えが見え始めている。