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宮城県女川町女川浜字女川
震災前取材
文政7年(1824)、独国和尚が「五穀豊饒,天下泰平」などを祈願して,女川山の尾根づたいに建立した三十三観音碑。独国は、西国の三十三観音を調べ、この地方の人々が遠い西国までいかなくてもこの地で西国三十三観音の巡礼ができるように建立したと言う。
病気、天災、海難、安産など、それぞれの観音碑が難を救済すると言われ、古くから人々の信仰を集めてきた 。三十三番碑は独国和尚の墓碑と並び補蛇閣の中に安置されている。
- 一番
揚柳観音… 千手観音の一分身とされ、人々の衆病を除くこ とから、別名「薬王観音」ともいわれている。 - 二番
竜頭観音…竜の頭に観音菩薩が乗っている姿。竜は動物を支配する王とされている。 - 三番
持供観音…「持供」とは、経典を信じ、常に身につけて読み となえること。右手に経巻を持つ姿が刻まれている。 - 四番
円光観音…身体より光明を放っている姿。この観音に念ず ると、相手の刀が折れて危害が免れるといわれている。 - 五番
遊戯観音…「遊戯」とは、仏の境地に徹して、それを喜び楽 しむこと。その姿は、法界に遊戯する様を示している。 - 六番
白衣観音…阿弥陀如来の配偶者として蓮華諸尊を生んだという説があり、安産・育児に利生があるとされる。 - 七番
蓮臥観音…蓮華の上で静かに合掌している姿で、三十三身中の小王身を現しているといわれている。 - 八番
瀧見観音…流れ落ちる滝を、断崖の岩の上で見ている姿。 念ずれば火坑も変じて土になるといわれている。 - 九番
施薬観音…右手を頬にあて、池のほとりで静かに蓮華を見 ている姿で、如日虚空住を示しているといわれてい る。 - 十番
魚籃観音…手に魚籃(魚龍)を持ち、あるいは魚の背に乗る姿につくられた観音で、漁業関係者に信仰されている。 - 十一番
徳王観音…右手を地につけ、左手を立膝に置いている姿で、三十三身中の長者を示している。 - 十二番
水月観音…月灯りの海の上、蓮華を船になぞらえて、水面に写る月を見ている姿が刻まれている。 - 十三番
一葉観音…一片の蓮華に乗って、悠然として水面に浮かんでいる姿で、三十三身中の宰官身を示している。 - 十四番
青頸観音…青頭観音ともいわれ、三十三身中の仏身。念ずれば、あらゆる怖畏と厄難が離脱するといわれている。 - 十五番
威徳観音…岩の上から水面を眺めている姿で、三十三身中の天大将軍を示しているといわれている。 - 十六番
延命観音…水上の岩に寄り、無心に水面を眺めている姿で、呪咀や毒薬の害を除くといわれている。 - 十七番
衆宝観音…岩座にひざまづき、右手に緑濃い一枝を持っている姿で、三十三身中の梵天身にあたる。 - 十八番
岩戸観音…岩窟の中に端座して、悠揚迫らずに水面を眺めている姿。三十三身中の蛇及びまむしやさそりなどを示している。 - 十九番
能静観音…海に向かって、岩上に静かにたたずむ姿。普門品の中の「仮被国風吹く」の句意を表している。 - 二十番
亜耨観音…岩上に左膝を立て、海上を見ている姿。海上で竜魚などから危難にあった時、念ずれば免れるといわれている。 - 二十一番
阿麼提観音…無畏観音とも呼ばれていて、国王に過失があった時に修法する本尊といわれている。 - 二十二番
葉衣観音…草を敷いて岩の上に座している姿で、疱瘡などの疫病を防ぐといわれている。 - 二十三番
瑠璃観音…香王観音とも呼ばれ、三十三身中の自在天にあたるといわれている。 - 二十四番
多羅尊観音…「多羅」とは眼妙、つまり瞳のこと。慈悲の眼で衆生を救済するといわれ、安産を願うときに修法されている。 - 二十五番
蛤蜊観音…はまぐりの中から現れたといわれ、三十三身中の菩薩身にあたるといわれてい る。 - 二十六番
六時観音…右手に経冊を持ってる姿で、三十三身中の居士身にあたるといわれてい る。 - 二十七番
普悲観音…両手を白衣に覆い、丘上で立っている姿。三十三身中の大自在天にあたるといわれている。 - 二十八番
馬郎婦観音…吉祥天のように天衣を身にまとっている姿で、三十三身中の婦女身にあたるといわれている。 - 二十九番
合掌観音…「合掌」は、仏教の基本的な礼法の一つ。蓮華の上で合掌する姿で、三十三身中の婆羅門身を示している。 - 三十番
一如観音…雲の中にある蓮華に座している姿で、普門品の中の雲砲鼓暫掣句を表しているといわれている。 - 三十一番
不二観音…荷葉に乗って水面に浮かんでいる姿で、三十三身中の執金剛身にあたるといわれている。 - 三十二番
持蓮観音…荷葉に乗り、両手に蓮華を持っている姿で、三十三身中の童子・童女にあたるといわれてい る。 - 三十三番
灑水観音…右手に梅の花、左手に灑水器を持ち、水を注いでいる姿。普門品の中の若為大水の句を表して いる。