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宮城県石巻市前谷地字寺前…龍谷寺

震災前取材

龍谷寺の第19世住職興長法印の墓で、正徳4年(1714)の建碑と伝えられる。

昔、江合川は増水するたびに堤防がこわれて水害騒ぎが起こり、民百姓の苦しみは大変なものだった。この天災を救うため龍石寺を開山した宗慶和尚(法印)は、「私が死んだら必ず逆さに埋めてくれ、そしたら水害は起こらない」と遺言を残してこの世を去った。

しかし、人徳の高い和尚を逆さに埋めるにしのびなかった村人たちは、和尚の遺骸を順に埋めてその冥福を祈った。ところが、その後も水害が絶えずこの地を襲ったので、村人も意を決して和尚の遺骸を掘り起こして逆さまに埋めたところ、水害はおこらず豊かな村がつくられたという。

この地域は、江合川の流域にあり、いたるところに「潜穴跡」など、水と戦ってきた様子がうかがえる。