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宮城県石巻市北上町十三浜石生/南三陸町戸倉

震災前取材

志津川湾の南端に位置するこの一帯は、典型的なリアス式海岸で、波濤砕ける岬や海蝕崖、重畳する巨岩奇岩、静かなたたずまいの湾奥が連続し、それに青い海と松の緑の調和が景観の特色となっている。

神割崎の名は海中に突出した岬黒色砂岩が海蝕によって真二つに割れていることから起こったと思われるが、この地には次のような伝説が伝えられている。

昔、戸倉村(現南三陸町戸倉)と十三浜村(現石巻市十三浜)が村境のことで争っていたころ、たまたま巨大な鯨が浜辺に打ち上げられてきた。両村ともこの鯨の所有を争ったが解決がつかず、とうとう翌日に持ちこすことになった。

ところがその晩岬のあたりから物すごい音が聞こえ村人達が駆けつけてみると岬の大岩が真二つに裂けていた。これぞ神の裁きということで村境の争いも解決し、以来、誰となく神割崎と言うようになったと言い伝えられている。