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宮城県気仙沼市唐桑町字崎浜

震災前取材

唐桑半島の最奥にある岬で、海食によって出来た岩礁奇観が連続し、太平洋の怒涛が打寄せる勇壮な景観でしられている。岬周辺では、御崎神社に関わる、陽沼、陰沼、児置島、八艘引など、伝説を秘めた景勝地を見ることができる。

 

・児置島伝説
昔この島の上に、7、8歳の童がいるのを漁師が見つけ、この島に上り童になぜこの島にいるのかをたずねた。童が言うには、「我は此の崎に在します御社に仕へる海原の神なり。海陸を守護し、海上風波の難をしのぎ、豊漁、五穀豊穣、世上安泰ならしむため、この地に来たのだ」と言うや、童は岩をとび去り、光を放って海中に消えた。漁師は驚き畏れ、これを竜神が姿を変えて現れたのだと思い、童が消えた方に幾度も拝伏した。以来この島は児置島と呼ばれるようになったと云う。

 

・八隻曳(はっそうびき)
幅が約30m、長さが50mあり、千畳敷とも云われる。御崎神社の祭神が、八隻の船で上陸したという伝説から、その名がついたと云う。

 

・鯨塚
昔、嵐にあった漁船を、鯨が御崎神社沖まで誘導し無事救ったという。この塚は、その鯨の霊を祀ったもので、毎年正月の7日朝、神酒とイワシと塩を塚に供えて鯨を供養している。また、鯨は神社の使いであるとの信仰があり、氏子は鯨を捕ったりその肉を食べたりはしない。

 

・陽沼(おぬま)・陰沼(めぬま)
イザナギの神、イザナミの神が鎮座したというところで、縁結びの神として知られている。陽沼は断崖絶壁に囲まれ岩の割れ目を激しく波が流入している。陰沼は周囲20m程の窪みに静かに水をたたえている。陽沼にある松の木に、紙に恋人の名前を書き左手で結ぶと二人は結ばれると伝えられている。