震災前取材

岩手県住田町上有住字八日町

 

八幡神社は、上有住城の鬼門に鎮座している。その奥宮の前に、一際太く、高く聳えている老杉があり、地元の人々は、親愛と畏敬をこめて「八幡様の御神木」と呼んでいる。

この杉は、慶長7年(1602)、上有住城主千葉内膳が、内神の祭典を祝す際に植えつけたと云われ、幹周6.8m、樹高約30mの巨樹である。

代々神官職である坂の下佐々木家は、慶長5年(1600)、伊達政宗が、上杉領の白石城を攻める際に参陣した、気仙三十六騎のうち、上有住より参陣した「威徳院」を祖とし、この古木は「威徳杉」とも呼ばれている。