岩手県大船渡市末崎町字大浜

震災前取材

中海岸国立公園に属する大船渡市末崎半島にある海岸。碁石のような黒い扁平な石で構成されている海岸がある。

大船渡内湾の石灰岩層は、約4億年前から珊瑚や三葉虫、アンモナイトなどが生息する温暖な海域だったことによる。碁石海岸の黒色泥岩は、約1億3千年前、海溝にマリンスノーなどが堆積した泥が、海底プレートに押され競り上がった熱変成岩である。

海岸沿いには、穴通磯、巾着岩、雷岩と、乱暴谷(らんぼうや)、千代島、碁石岬、恵比寿浜、碁石浜まで約3kmにわたり海岸美が続く。

しかし、暗礁、浅瀬が入り組んだこの海域は、古くから海の難所で、多くの船が遭難した。そのため、碁石海岸で最も大きい千代島は経島とも呼ばれ、海難者の冥福を祈るため、お経を刻んだ一字一石を祀ったと伝えられる。