震災前取材

岩手県釜石市橋野町第三十二地割

 

瀧沢神社奥の院のこの地は、沢桧川の滝や淵、苔むした岩などの自然が織り成す景勝の地である。

この地には、次のような伝説が伝えられる。

橋野の沢のこのお不動さんの祭の日には、昔からたとえ三粒でも、必ず雨が降るといわれている。

昔、祭の前日に、海から橋野川を上って、一尾の鮫が参拝に来て、社の前の滝つぼに入った。ところが、祭の日はあまりにも天気がよくて川の水が乾き、海に帰れなくなり、天から雨を降らせてもらって、水かさが増したところで帰っていった。

この由来から、今なお祭の日には必ず雨が降ると云われ、この日には村人は畏れつつしんで、水浴は勿論、川の水さえ汲まぬ習慣がある。

昔、この禁を犯して水浴をした者があったところ、それまで連日の晴天であったのが、にわかに大雨となり、大洪水が起きて、田畑や人家までも流され、わけても禁を破った者は、家を流され、人も皆溺れて死んだと伝えられている。

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