震災前取材

岩手県釜石市橋野町第四十三地割

 

昔、ともに盲目の夫婦が、丹蔵という小さな子供を連れて、この栗橋村の早栃まで来た時に、丹蔵は誤って橋から川に落ちて死んでしまった。

そうとは知らないこの夫婦は、しきりに丹蔵を呼んだが返事はあるはずもなく、はじめて子供が川に落ち流されてしまったことを知った。子供を生きる支えにしていた夫婦は、生きる気力を失い、夫婦も橋から身を投げて死んでしまった。

村人たちはこれを憐れに思い、供養の祠を建てた。その後この祠は盲神と呼ばれるようになり、今でも目の悪い者には御利益があるとされ、祠の辺りの沢の水を掬み、眼を洗う者が少なくない。

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