岩手県一戸町小鳥屋字仁昌寺

2016/09/25取材

このフジは樹齢は数百年、高さは約20mあり、天然の藤としては日本一大きく、天然記念物に指定されている。かつては、近くにあったカツラとサクラに巻きついて成長していたが、その重みでカツラの枝が折れ、今は鉄骨のやぐらと支柱で支えられている。

この地は昔、仁昌寺という寺の境内にあたり、天正19年(1591)の九戸の乱の際には、奥州仕置軍の蒲生氏郷勢が、九戸方の姉帯城を攻撃するために陣をはった場所だと伝えられている。当時は、周囲三方に堀がめぐらされ、フジが生い茂る島のように見えた事から、「藤島」と呼ばれるようになった。

現在はその堀はないが、当時の名残か、フジの根元近くには弁財天が祀られている。