震災前取材

福島県塙町伊香字古宿

  • 古宿観音堂
平安初期に編纂された「日本後記」によると、弘安2年(811)に「高野」の宿の記載があり、その伊香辺の地が、この塙町伊香古宿辺りと考えられ、この地には多賀城までの官道が通っていたと考えられる。

この地にはかつて「朝日長者」と呼ばれていた長者が住んでいたが、この長者夫婦は、屋敷に泊まる旅人を殺してはその金銀を奪っていた。そのため仏罰があたり、その子供たちは次々と死んでしまった。

さすがにこの長者夫婦も悔い改め、子供の供養のための諸国行脚を始めた。旅の途中高僧に出会い、夫婦はその僧にこれまでのことを全て話し、子供の供養を頼んだ。その僧は、観音堂を建ててこれまで殺した旅人達を供養すれば良いと告げられ、夫婦は帰るとすぐに、一夜でこの観音堂を建てた。 そして、これまで悪事で貯めこんだ漆千杯、朱千杯、黄金千杯をこの地に埋め供養したと云う。

観音堂は、一面が2.7間の入母屋造りで、十一面観音を本尊としている。天井には寛保2年(1742)に狩野益信の筆による墨絵の龍が描かれている。

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