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福島県二本松市杉沢字平

震災前取材

 

寛永20年(1643)、二本松藩主丹羽光重が領内を巡検し、杉沢の大杉と名付けたと伝えられ、この地の地名もこの名に由来する。
根元の周囲22.65m、目通り幹囲12.6m、樹高約50m、推定樹齢は1千年とも云われている。

この杉には、次のような伝説が伝えられる。

昔、京の都から陸奥をめざし旅をしていた精顕という若者がいた。この杉沢の里に滞在した際に、精顕はお杉という美しい娘に想いを寄せられ、精顕もまたお杉に心を奪われ、二人は夫婦になった。

二人は京の都で楽しい日々を過ごしていたが、、お伊勢参りが一生の願い、というお杉の願いで二人は伊勢参りに出かけた。お杉は杉の木立を懐かしそうに見回していたが、今度は「杉沢の里に帰りたい」という。

杉沢の里に戻った精顕とお杉は、この地で子宝にも恵まれ幸せな日々を過ごしていたが、精顕も年老いやがて亡くなった。お杉は、その亡骸を杉の木の根元に葬り、その後、どこに行ったものかお杉の姿は消えてしまった。

誰言うともなく、お杉は、実は杉の精の化身だったと伝えられるようになった。