青森県西目屋村名坪平

2017/10/31取材

樹齢300年を超える杉の大木に囲まれた不動尊の境内に、落差33mの一条の滝が落下している。その岩下に不動尊が祀られた御堂がある。

この不動尊堂の建立については不明ではあるが、古くからこの滝により、津軽の作物の豊作不作を占う手がかりをえていたという。

藩政時代には、津軽藩主が、乳穂ヶ滝(におがたき)の氷塊を正月の厳寒期に特命使者を遣わして検見させ、豊凶の手がかりとし、民間では、旧正月17日にその氷を持ち帰り、病人に与えると、不思議にも快癒したという。

そのようなことから、多くの津軽領民たちは、豪雪をついて津軽中から信者が集まり、現在もその風習は続いている。

この滝の向いの岩木川の岸に、カエルがうずくまった形をした岩があり、「ガマ石」「ビッキ石」などと呼ばれている。