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青森県弘前市元寺町

2013/08/20取材


この教会は、明治8年(1875)、「弘前公会」の名で創設された、東北最初のプロテスタント教会である。東奥義塾の英語教師ジョンイングの感化を受けて、14名の学生が洗礼を受けたことがきっかけとなり、塾長の本多庸一が初代牧師となって出発した。以来、メソジスト派の伝道精神を受け継いで、津軽一円に教えを広めてきた。

現在の礼拝堂は、明治39年(1906)に完成した三代目の礼拝堂で、教会員の桜庭駒五郎が、パリのノートルダム大聖堂を参考にして設計したといわれている。双塔式のゴシック風木造建築は、明治期の木造洋風建築としては全国的にも珍しいものである。

建物は、青森県産の総ヒバ造りで、目立たない所にある数々のレリーフが職人の技を伝えている。礼拝堂の大きさは、幅16m、奥行き22m、高さ15mで、塔の高さは20mある。

内部には襖や畳のスペースが作られており、礼拝堂前部にある祭具は、伝統工芸である津軽塗の天板をもつ聖餐卓、あけびづる細工の献金籠を用いている。