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青森県中泊町小泊

震災前取材

津軽半島西側海岸線を走る国道339号線の内、小泊から竜飛崎までの区間を特に竜泊ラインと呼ぶ。

小泊の権現崎から、青岩や七ツ滝などを通り、荒々しく美しい海岸線を走ると、途中から一気に山岳道路となり、最頂部の「眺瞰台」に至る。眺瞰台からは360度の眺望を楽しむことが出来、つづら折はるかに下る先には竜飛岬が臨め、その先には雲に間違う北海道が見える。

国道339号は、青森県弘前市を起点として津軽半島、龍飛岬を周回し、旧松前街道の終点でもあった東津軽郡三厩村までの約105kmの国道である。しかし、竜泊ラインの小泊-竜飛間の19.1kmは、昭和40年代までは道路が拓かれてはおらず「幻の国道」であった。

昭和44年(1969)、地図を頼りに津軽半島の周回を試みた学生が遭難し、これをきっかけとして、3年後の昭和47年(1972)から整備が始まった。しかし難工事で、小泊-竜飛間19.1kmのうち、小泊側の12.78kmは、陸上自衛隊第九施設大隊が行った。それでも全線開通までには10年以上の歳月を要し、実際に通行が可能となったのは昭和59年(1984)10月となった。