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三戸郡五戸町字野月

2014/08/24取材

明治12年(1879)、私設消防組が組織され屯所を設けたが、大正2年(1913)の大火によって焼失した。その後、町民有志に新築運動を呼びかけ、以前とほぼ同様の屯所が大正11年(1922)建造した。

木造5層建、間口3間半、奥行3間、建坪10.5坪、工費2774円で、当時は町内第一の規模の鐘楼のついた火の見櫓だった。

総高さ12.7m、鐘楼兼火の見櫓が大きな特徴で、本屋とは色を変え、赤色にする事で消防施設として強調し、上部はドーム状の特徴ある意匠となっている。外壁は下見板張り、ペンキ仕上げ、縦長の窓、建具の桟の割付、千鳥破風の意匠、正面にはファンライトと呼ばれる半円形の欄間風の意匠、1階軒下には蛇腹風の意匠が施され、当時の洋風建築の要素を取り入れている。

又、意匠が建物の中心部分に集中し、印象深い建物となっている。五戸町消防団第一分団屯所は、大正時代に建てられた数少ない洋風消防団屯所建築の遺構として貴重な事から、平成15年(2003)、青森県重宝に指定されている。

現在も五戸町消防団第一分団屯所として使用されている現役の建物である。