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青森県つがる市柏桑野木田

2015/08/27取材

 

このリンゴの木は、明治11年(1878)に栽植されたりんご樹のうち、現存する「紅絞」2本、「祝」1本で、日本最古のリンゴの木として、青森県の天然記念物に指定されている。現在でも60箱ほど収穫している。

日本におけるセイヨウリンゴの初めは、明治の初め、日米修好通商条約批准のためにアメリカ合衆国に赴いた使節団が苗木を持ち帰り、松平春嶽の屋敷に植えたのが始めである。

日本在来の和林檎は、古く平安時代末期から室町時代に中国から移入されたものだった。重さは約50グラムで、直径はせいぜい5cm程度と小さくて、酸味が強い上に硬くて渋みもあり、味はセイヨウリンゴに到底及ばなかった。

青森県でセイヨウリンゴの栽培が始まったのは、明治4年(1871)で、内務省勧業寮からセイヨウリンゴの苗木30本が青森県に配布された。苗木のうち10本は県庁内に栽植され、残りの20本を弘前や五戸などに試植することになった。

しかし、病害虫が大発生するなどし、リンゴ生産者たちは品種の更新など試行錯誤を重ね、青森県の気候風土に合う紅絞と祝など優良品種7種を選んで栽培した。

この地のリンゴは、青森県のリンゴ生産者の苦労の中で、その当時からの日本最古のリンゴの木として残ったものである。