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青森県三戸町字同心町…三戸大神宮境内

2012/11/05取材

三戸大神宮の境内に、小さな市神社の社殿があり、その前に、この地で義民として崇敬を集めている川村惣太郎の伝説を伝える「思案の石」がある。

惣太郎は、この二日町の検断役だったが、宿駅だったこの地には、馬と人夫を出し次の宿場まで輸送しなければならない夫伝馬の賦役が重くのしかかっていた。町民達の中には、その賦課に耐えられず逃亡するものもあった。それを見かねた惣太郎はこの石に腰掛け日々思案し、ついに藩主に単身直訴することを決心した。

正徳元年(1711)、惣太郎は盛岡城下の中の橋付近に潜伏し機会をうかがっていたが、10数日の後、藩主の行列の前に飛び出し直訴し捕らえられ、その後4年間投獄された。しかし惣太郎は、町民の減税と市日の開設を命をかけて訴え、ついに税は軽減され、今に続く市を開設することを許された。

惣太郎の死後、町民有志が市神社を建立し、商売の神様として今も信仰を集めている。