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青森県八戸市十日市

2013/10/07取材


 

東北地方に広く伝えられる「三湖伝説」の一方の主役が、八郎潟の主の八ノ太郎(八郎太郎)であるが、八戸地方には、この八ノ太郎に関する伝説が多く伝えられている。

八太郎沼に住んでいた主の大蛇が、この地の十日市村に住んでいた、美人で評判のお藤に懸想し、若者に姿を変えて、お藤のもとに通った。お藤は初めは相手にしなかったが、熱心に通ってくる若者にいつしか心惹かれるようになり、若者の子を身ごもった。

この若者は、実は八太郎沼の主の大蛇だった。秘密を明かすように強く迫るお藤を拒み切れなくなり、若者は自分の素性を明かし、大蛇になって八太郎沼に飛び去った。

月満ちて、お藤は男の子を生み、八ノ太郎と名付けた。八ノ太郎は、生まれて間もないのに体も大きく、すでに歯は生え揃っていた。八ノ太郎はスクスクと成長し、力強く逞しい、そして優しい若者に成長した。

この若者が、後に十和田湖の主となり、南祖坊と対決して敗れ八郎潟の主となるのである。

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