青森県佐井村字長後

2012/07/11取材

 

仏ヶ浦は、陸奥湾口の平舘海峡に面した峻険な海岸沿いに、約2kmに亘り奇異な形態の断崖、巨岩が連なる景勝地であり、古くは仏宇陀(ほとけうだ)と称した。

今から約2000万年前、日本列島がユーラシア大陸から分離し日本海が誕生した時期に、大規模な海底火山活動が起こり、長期間に渡って日本海沿岸各所に火山灰を堆積させ、厚い凝灰岩の層を形成した。仏ヶ浦の原形もこの時に形作られたと考えられている。

この地の緑色凝灰岩はもろく崩れやすく、この地の風景は、長い間の海蝕を受け形成された。風化を受けて刻まれ屹立する岩石は、五百羅漢や観音像などにも見え、常の生活空間とは異なる景色を現出している。それぞれの奇勝には、浄土のイメージを重ねて「如来の首」「五百羅漢」「極楽浜」などの名が与えられている。

死者の霊が集まるとされる霊場恐山の西方にあたり、この地は西方浄土に比定されたと思われ、古くから恐山の参拝の帰りに仏ヶ浦に寄る人が多かった。この地にも地蔵尊が祀られ、恐山の例祭の中日に仏ヶ浦の例祭が行われている。

文人で紀行家の大町桂月は、大正11年(1922)、この地を訪れ強い感興を覚え、
神のわざ 鬼の手つくり仏宇陀 人の世ならぬ 処なりけり
の和歌をもってその奇観を賞した。

昭和16年(1941)、国の名勝および天然記念物に指定された。

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