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秋田県大館市花岡町

震災前取材

 

大館市花岡町の鳥潟会館は、京都帝国大学名誉教授で日本外科学会会長をつとめた鳥潟隆三博士の生家である。また、無線電話機を発明し世界の通信発展に偉大な貢献をした鳥潟右一博士や、明治時代にすぐれた奇術や軽業興業によってヨーロッパで名声を博した鳥潟小三吉が幼年期を過ごした家でもある。

建物は、昭和11年(1936)から約5年の歳月を要して延べ1000人を超える京都の大工・左官等の手によって補修、増築がおこなわれたもの。また、庭園は京都から造園師を招き、庭石に鞍馬石を使うなど、京風の情緒豊かな庭園として、建物と共に東北地方有数の文化遺産である。

昭和26年(1951)に当時の花岡町に寄贈され、現在は大館市の「鳥潟会館」として一般の利用に開放されている。

鳥潟氏は、秋田県山本郡鳥形邑に発し、祖の鳥形右京亮は秋田城介安東実季の直臣だったと云う。槍をよく使い、数次の戦に功あり、大館の釈迦内を領し、その後花岡城に移った。

主家の秋田氏の常陸移封に際してこの地で帰農し、この地を領した佐竹氏に見出され花岡村の肝煎りとなった。この地の殖産興業に力を注ぎ。苗字、帯刀を許され、「鳥潟」を称したと云う。