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秋田県大館市比内町八木橋

震災前取材

 

西木戸神社は、奥州藤原氏四代の藤原泰衡の夫人を祀った神社である。

文治5年(1189)、夫人は平泉を逃れ贄の柵を目指す泰衡の後を追いこの地に至った。しかしその四日前に、すでに河田次郎の変心によって討たれたことを知った。

夫人は嘆き悲しみ、後事を従者の由兵衛に託し自害してしまった。由兵衛は、夫人の遺骸を埋めて手厚く霊を弔い、その後この地に向かい合う丘で自刃した。

里人たちはこれを哀れみ、夫人のために五輪塔を建てて夫人の供養をした。その後、この地は「五輪台」と呼ばれるようになり、また従者が自害した丘は「由兵衛」と呼ばれるようになった。

神社の名称は、この地一帯が泰衡の異母兄の西木戸太郎藤原国衡の采邑地だったからとされ、この神社は、この地の東北東約3kmにある泰衡を祀った錦神社の方を向いていると云う。