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秋田県三種町芦崎字芦崎

2015/08/28取材

 

「三湖物語」の続き。「七座山」の天神(「七座神社」:2016年12月10日記事参照)により

米代川から追い出された八郎太郎は、川を下り、現在の八郎潟の地にたどり着いた。当時は八郎潟はまだなく、その地で親切な老夫婦と出会い、一夜の宿を借りることができた。八郎太郎は自分が龍であることを告げ、明日の朝、鶏が鳴くと同時に大地が割れ、この地が大きな湖に変わることを話した。

老夫婦は驚きながらもその話を信じ、荷物を纏めて、鶏が鳴く前に逃げ出した。しかし、婆は裁縫道具を忘れたことに気付き、家に取りに戻ろうとして、溺れてしまった。それに気付いた八郎太郎は、婆を八郎潟西岸に当たるこの芦崎まで尾で弾き飛ばした。

こうして、八郎太郎は「八郎潟」の主となった。爺と婆の命は助かったが離れ離れとなり、後に爺は、八郎潟東岸の三倉鼻に「夫殿大権現(おとどだいごんげん)」として、婆は芦崎に「姥御前神社」として祀られるようになった。因みに、この両地区では昔は、鶏は飼わず、鶏や卵も食べなかったという。