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秋田県男鹿市五里合鮪川字上鮪川

震災前取材

 

寒風山(標高355m)の北東麓に湧水群があり「滝の頭(たきのかしら)」と呼ばれている。 古くから知られた名水であるが、寒風山麓の総湧出量の7割、一日あたり約2万5千トンと湧水量は膨大で、この地域の農業用水や飲料水として利用されてきた。

寒風山は溶岩流からなる火山で、滝の頭は溶岩流の末端部に位置している。この溶岩には、無数の割れ目があり、雨が降れば、割れ目に滲みこみ、溶岩の基盤となっている水を通さない堆積岩層につきあたると伏流水となり、約20年かけて溶岩流の末端部である滝の頭から湧出する。

この湧水群は、人々の信仰の対象にもなっており、湧き口には今木神社という不動尊が祀られ、三吉神、太平山碑などの石碑に囲まれている。今木神社の脇にある溜りには、オナンショという山椒魚が棲み、これを生きたまま飲み込むと、胃を掃除してくれるとして昔は参拝者がよく飲み込んだという。