秋田県秋田市藤倉

2017/07/28取材

 

藤倉水源地は、秋田市を流れる旭川の上流に位置する。秋田市内への上水道と、防火用水供給のため、明治36年(1903)に南秋田郡旭川村山内に藤倉ダムの建設計画が決定し、建設が開始され、同40年(1907)に大木屋浄水場へ給水が開始された。その後水害が相次いだことから、ダムなどの設計を一部変更し、同44年(1911)に全施設が完成した。以来、市民の水がめとして、約70年の間、秋田市民に清涼な飲料水を供給し続けた。

しかし、その後、給水のすべてが雄物川からまかなわれるようになり、昭和48年(1973)、上水道源の雄物川への完全切り替えに伴い、藤倉ダムからの取水は停止された。

その後、市民からは長らく忘れられたような存在となっていたが、昭和60年(1985)、近代水道百選に選定され、平成5年(1993)には「藤倉水源地水道施設」の名称で、群馬県の碓氷峠鉄道施設とともに国の重要文化財(近代化遺産)に指定、再び脚光を浴びることになった。

本堰堤は、重力式コンクリート造、石張り様式で、南北方向に設置されている。上部の南側にはバルブ塔と呼ばれる取水用の設備が半円形状に突き出し、隣には排砂用の暗渠設備がある。越流式で落差10mから流れ落ちる水が美しい。高さ16.3m、長さ65.1m、貯水量は23万9千2百㎥。

副堰堤は、落下する越流水の衝撃を緩和し本堰堤基部の破壊を防止するためのもので、本堰堤の約20m下流側に平行して整備されている。長さ28.6m、高さは2.1m。また流量調節のための放水路が設けられており、林業への配慮と本堰堤保護のため、木材を流せるようになっている。長さ122.7m、幅は最大15.2m。

その他、本堰堤の上には真っ赤な橋が架けられており、越流部を流れ落ちる白い水とのコントラストが美しく、ひときわ目を引く。この橋は管理に利用された橋で、明治44年(1911)に東京石川島造船所がつくった下路曲弦ワーレントラスで、国内に現存する明治期道路橋の10傑に入ると言われている。長さ30.6m、幅1.7m。

 

 

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