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秋田県秋田市東通明田

2016/07/27取材

 

富士山(ふじやま)は、秋田県秋田市にある標高35mの山である。地名から明田富士(みょうでんふじ)と通称される。

秋田駅の南方約1㎞の位置にある小高い丘が明田富士で、周辺は楢山明田近隣公園として整備されている。(1988)、日本山岳会により「日本一低い富士山」と認定され、山頂にその旨を記した標柱がある。近隣は平たん地であるために、山頂からの市街地の眺望は意外に良い。中腹には明田稲荷大明神、山頂には富士大権現が祀られている。

鎌倉時代には、富士太郎(六郎とも)という豪族の館があったと伝えられ、その当時から山頂には富士権現が祀られていたと云い、江戸時代の富士山信仰による模倣の山名ではなく、古くからの独自の山名と考えられる。

江戸時代に、佐竹義宣が久保田城を築城する際に、城下町建設のため西側斜面は土取り場となり、沼地、湿 地帯だった手形堀反、南通築地、今の秋田駅周辺 などの埋め立てに使われた。また明治以降にも、低湿地埋め立てのために土取りが行われ、現在の山はかつての4分の1程度になったという。

周辺には、磯前神社があり、漁労の神として 新屋の漁民たちが豊漁を祈願したと云う。また他に馬頭観音(明田神社) 、稲荷神社の他に、多くの 庚申塚、明田墓地などがあり、城下町が造成された後には、信仰の山だったと思われる。