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秋田県秋田市金足小泉上前

2015/08/28取材

 

旧奈良家住宅は、江戸時代中期の宝暦年間(1751~1763)に奈良家九代善政(喜兵衛)によって建てられた。3年の歳月と銀70貫(現在の約3千万)を費やしたといわれている。

建物の両端が前面に突き出す形は両中門造りとよばれ、秋田県中央海岸部の代表的な農家建築である。奈良家の場合は、正面左側が上手の中門(座敷中門)、右が下手の中門(厩中門)になっています。

茅葺き屋根や板壁、鉋仕上げ・チョウナ仕上げによる部材などから、いかにも古風な民家をうかがうことができまる。それとともに、入母屋に構えた厩中門の屋根や、書院造り風の座敷などからは、県内屈指の豪農としての格式の高さを知ることができる。

旧奈良家住宅は、秋田県中央海岸部の大型農家建築物として、よく初期の形態をとどめ、また建築年代が明らかな点でも貴重な民家であり、昭和40年(1965)に国の重要文化財に指定された。