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秋田県北秋田市阿仁銀山字下新町

2016/04/05取材

 

旧阿仁鉱山外国人官舎は、明治15年(1882)、当時の工部省直営の阿仁鉱山に建てられた外国人の宿舎で、設計はドイツ人鉱山技師アドルフメッゲルらと伝えられている。明治時代の建築物の代表とされる鹿鳴館やニコライ堂に先駆けて建築され、現在は国の重要文化財に指定されている。

構造は煉瓦造り、平屋建てで、建築面積は267.2㎡、屋根は切妻造り、柾板葺、現在は銅板葺、壁体は地元で焼かれた煉瓦を二枚積みにしたイギリス積みで、半円形窓、上げ下げ窓及び鎧戸が連続的に配置され、周囲をベランダで囲むコロニアル様式の住宅である。

内部は、東側正面中央の玄関ポーチを囲むように四つの部屋を設け、東南部は突き出して一室をつくっている。屋根裏は物置で、小屋組は木造で和洋折衷の工法である。

この建物は、県内に残る最も古い洋風建築であり、東北地方における数少ない明治初期、殖産興業時代の煉瓦造りの住宅として優れた遺構である。