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秋田県仙北市角館町上新町

震災前取材

 

秋田県仙北町の天寧寺は、葦名氏の菩提寺である。

葦名氏は、戦国期に佐原十郎以来の名家として、会津一円を支配していた。しかし、南奥制覇を目指す米沢の伊達政宗との摺上原の決戦に破れ、当時の葦名の当主の葦名義広は、実家の佐竹氏を頼り常陸へ落ち延びた。

その後、豊臣秀吉の奥州仕置においても旧領に復することはできず、常陸に4万5千石を与えられた。しかし、関ヶ原の戦いでは実兄の佐竹義宣は西軍に与したものとされ、葦名氏は所領を没収され、慶長7年(1602)佐竹氏とともに秋田に入った。

葦名氏は佐竹氏の一族として、仙北郡角館に1万6千石を得て、嗣子なく断絶するまでの三代の間この地を領した。

天寧寺は、寛永年間(1624~44)葦名氏の菩提寺として会津にあったのをこの地に分けて建立したもので、横手市の正平寺の鉄心快牛和尚を迎えて開山したもの。