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秋田県北秋田市宮前町

2013/08/19取材

 

鷹巣神社の創建は「白鷹伝説」に由来し、当時の大館城主から黄金を下賜され、この村の肝煎りが大ケヤキの下に八幡神社を建立したのが始まりとされる。また地名の「鷹巣」もこれに因んだものである。明治になって、愛宕堂と伊勢堂が合祀され鷹巣神社と改名した。鳥居脇の大ケヤキは天然記念物となっている。

むかし、この地の大ケヤキに雌雄の鷹の夫婦が棲みついた。村人達もこれは縁起が良いとして大切にしていたが、ある日この雄鷹が、大きな荒鷹に食い殺されてしまった。これを知った雌鷹は、悲しみのあまりかそれから数十日も巣にこもっていたが、ある朝、突然異様な鳴き声をあげて飛び立っていった。

この地の肝煎りの斎藤伊勢は、これを見て霊感を感じ巣の中をのぞいて見ると、そこには真っ白な鷹の雛がいた。これを伝え聞いた大館城主は不思議なものを感じ、また白鷹は吉祥でもあるため、斎藤伊勢からこの鷹を譲り受け、大切に飼育して幕府に献上することとした。

白鷹は成長し、いよいよ江戸へ献上することが決まった数日前、鷹匠のわずかな隙を見て白鷹は姿を消してしまった。城内は大騒ぎになり、家臣たちが探しまわっていたが、翌日、白鷹は数倍も大きな荒鷹を捕まえて戻ってきた。その荒鷹こそが父の仇であった。

殿様はたいそう喜び、白鷹の生まれた村を鷹巣村と名付け、黄金を下賜したと云う。