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秋田県小坂町小坂鉱山字松ノ下

震災前取材

 

康楽館は、小坂鉱山を経営した藤田組により、明治43年(1910)、鉱山従業員の厚生施設として建設された。

正面のイギリス下見板張の外壁と装飾、客席部の天井に洋風の意匠が見られるが、花道、廻り舞台など、江戸期に成立した芝居小屋の形式を伝える和洋折衷の様式を持つ。

昭和60年(1985)、同和鉱業から小坂町へ譲渡されたのを機に修復が加えられ、翌年7月に現役の芝居小屋として改めて開館した。

康楽館は、近代の芝居小屋のうち、優れた洋風意匠を取り入れた現存最古のものとして歴史的価値が高く、小坂鉱山の繁栄を物語る遺構として貴重である。