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この作戦は、韓国には通告されることなく実施された。それは、韓国には、その政権内部にも、すでに多くの工作員が入り込んでいることから、当然のことだった。韓国に通告されたのは、攻撃が始まってから1時間後のことで、それは北朝鮮が暴発し、韓国に対して攻撃を仕掛ける可能性からの勧告だった。

アメリカの特殊部隊が、金正恩の別荘に降り立った時には、建物はすでに巡航ミサイルで破壊されており、急を聞いて平壌から駆け付けた部隊と交戦になった。北朝鮮の部隊は、当初は何事が起きたのかも理解できず、武力も貧弱で、もちろん夜間戦闘の装備などもなく、攻撃ヘリの支援を受けた米特殊部隊の敵ではなかった。2時間ほどの戦闘の後、北の部隊は降伏した。

金正恩の別荘に向けて巡航ミサイルが発射された同時刻に、ロナルドレーガンからは、FA18がミサイルのプラットホームとみなされた車両の空爆へ飛び立った。また元山東部の北の馬養島潜水艦基地付近に潜航待機していたアメリカの原潜とロナルドレーガンから飛び立った対戦ヘリが、北の潜水艦を殲滅するために動き始めた。

北朝鮮はこれらの一連の攻撃に対してなす術はなかった。ミサイルこそ保有してはいるものの、レーダー設備などの防空能力は皆無と言っていい状態で、また夜間戦闘装備などもなく、抵抗らしい抵抗はほとんどなかった。アメリカは、この夜のうちに大勢を決するつもりでおり、ボノムリシャールからは、平壌制圧のために、二次、三次の部隊が飛び立っていた。

ボノムリシャールからの別動隊は、平壌北部の護衛司令部の制圧に向かった。2個師団が平壌防衛にあたっていると考えられており、金一族のプライベートな護衛の任務も担っていた。それなりの装備があると考えられ、金正恩襲撃と同時に、司令部と周辺の施設、設備に対して巡航ミサイルによる徹底的な空爆が行われた。その後オスプレイでアメリカの海兵隊が司令部を占拠し、防衛陣地を築いた。ここでもさほどの抵抗はなく、北の兵たちは、攻撃してきたのがアメリカ軍だとわかると、戦意を失い次々に降伏した。

元山沖のロナルドレーガンから飛び立ったFA18は、あらかじめ探知していたミサイル車両の秘匿ポイントに猛爆撃を行った。そのうちの1個所は、高速道路のトンネルだった。このトンネルには5基のミサイル車両が隠匿されていると考えられ、気化爆弾が用いられた。またFA18の別動隊は、ソウルを狙う位置のロケット砲と長距離砲の基地を爆撃し、また馬養島の北の潜水艦部隊はアメリカ原潜と対戦ヘリの攻撃で壊滅した。

この日の早朝、韓国では戒厳令が敷かれ、戦車部隊やミサイル部隊、長距離砲部隊が38度線付近に集結し、ソウル市民には避難命令が出された。また従北政策を進めてきた、北朝鮮と通じていたと思われる前政権のメンバーは拘束された。韓国のミサイル部隊、長距離砲部隊は、北のロケット砲、長距離砲陣地に砲撃を開始した。北側からは数発の長距離砲が応射され、数発のロケット砲がソウルに向けて発射されたが、被害は軽微だった。アメリカのFA18の空爆もあり数時間後には沈黙した。