2010/05/14取材 秋田県由利本荘市

 

歴史散策⇒本荘城址

仕事の関係で、東北地方の南三県は良く行くのだが、北三県は足を向けることも少なかった。今後は、「計画的」に秋田、岩手県を訪れようと、仕事を終えた後に、2日間その取材に当てており、なんとか予定通り仕事を終えた。

酒田で最後の仕事を終えて、国道7号線を北上し、最初の目的地の由利本荘市に愛車ロシナンテⅡを走らせた。由利本荘市には、訪れたい地も多くあるのだが、この日は時間はあまりなく、数箇所に絞込みまわる予定でいた。

市街地に入りすぐに国道を東に折れるとじきに広い沼が広がっている。その沼の北側の台地が目的の本荘城址らしい。台地の周囲をまわりこむと、台地の北側に三の丸が配され、北側に水堀が残っている。

江戸期には、本荘藩六郷氏二万二千石の城だったが、石高の割には大きく堅固なつくりのようだ。私のイメージでは、むしろ出羽最上藩の北の守りの城と考えるほうがしっくりとする。

三の丸にある城門は「模擬城門」ということだが違和感はない。それでもできれば「復元城門」であってくれればなどと思いながら、三の丸に入ると、正面にあきらかに後世につくられた石垣が見える。しかし地形は大きく改変されてはいないようだ。

正面の本丸跡と思われるところには資料館があるようで、広い三の丸広場は、この町のイベント広場のように使われているようだ。三の丸から本丸までそっくり公園としてよく整備されているようで、市街地の中の平山城としては全体の地形は良く残されている。

二の丸から本丸に上ると、巨大な土塁が残っており、いくつかの櫓があったらしい。本丸部には木々が多く残されており、絶好の散策路になっており、途中散策している地域の方々を何組かみかけた。

それなりに堅固な城だが、天気が穏やかだったこともあってか、城跡で感じる緊張感はこの城跡では感じなかった。また決して派手な城でもなく観光地でもないが、市民の生活にしっくりと溶け込んでいる感じのする城跡だった。