2010/03/08取材

 

山形金山の地は、以前この地の遅い春を訪れ、地元の方の底なしの親切に触れて、その景観とともに忘れられない地となった場所だ。雪の多いこの地を、厳冬期に訪れたいものと思っていたが、なかなか勇気が出ず、寒さが少しゆるんだ時期に思い切って、仕事の予定を少し変更して寄り道することにした。

日の出前だいぶ早く新庄を出て国道13号線を北上する。圧雪状態を覚悟していたが、しっかりと除雪されており、路面は乾燥状態で、愛車ロシナンテⅡを快適に走らせた。途中、一面の雪景色の中に上弦の新月が昇ってくることに気がついた。この新月を、うまいロケーションで捉えたいものと気が急いた。

金山町に入る。この日の目的の竜馬山方向に車を向けた。すでに月はだいぶ高くなっている。空も少ししらみ始めている。竜馬山の近くで車を止めて三脚を準備するのももどかしく、カメラを固定し月に向けた。ファインダーの中に雪景色の中の上弦の新月をとらえる。

まったくの静寂の世界で、しかしその静けさが大気にピリリと緊張感を与えているかのようだ。寒さはむしろ心地よかった。気が済むまで新月を撮影した。月と反対側の竜馬山は、日の光がまだ届かない中で、わずかな新月の光をうけて、青々とその稜線を浮かび上がらせている。日の光が差すまでのわずかな時間、竜馬山の麓で日の出を待った。

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