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昨日は、日の出前から庄内をまわり、午後は仕事で三川、酒田、新庄をまわり、夕方には予定通り仕事を終えた。今回は、震災以降十分に好きな放浪ができない怒りのような鬱憤がたまっており、何が何でも青森、北秋田、北岩手のいずれかをまわろうと思っていた。しかしどこに向うかは決めてはいなかった。

天気予報では天気も荒れ気味で、雪の状況もわからない。とにかく、新庄から横手に入り、天候や雪の状況を見ながら北上しようと考えていた。しかし、新庄から横手に入り、平地を埋める雪の状況から早々に日本海側はあきらめ、横手から高速道路にのり、はるか岩手県北部の九戸まで飛ぶことにした。

3月一杯は無料と言う事もあり高速道路を使ったが、高速道路は見るべきものもなくなんとも味気ない。ラジオだけを慰めに、夜の高速道路を長躯し九戸のICで降りて、IC近くの道の駅で倒れるように眠り込んだ。この日の行程は、仕事も含め、鼠ヶ関から、鶴岡、酒田、新庄、横手、北上、安代、九戸であり、我ながら多少あきれた。

例によって朝早く目を覚ました。気力は充実しているが天気は小雨で、時折強い風が吹く荒れ模様だ。この道の駅の近くには小さい城跡が二つほどあり、その雪の状況で、国道4号線沿いに盛岡に向って南下するか、雪が少ないだろう三陸海岸に抜けて南下するか決めるつもりだった。道の駅周辺を5分ほど走り、幹線道路はともかく、枝道は雪で入れる状況ではなく、早々に久慈に向った。

県道を走り、国道281号線に抜けると、そこは久慈川渓谷だった。新緑の季節や紅葉の季節には見事な渓谷美を見せるだろう。撮影ポイントを探し車を走らせていると、目の前に巨大な岩壁があらわれ、国道はその岩壁に穿たれたトンネルに入って行く。すぐに車を停め周囲をうかがうと、旧道があり、小さな公園になっている。やはりこの岩壁は「鏡岩」という綽名を持った「名岩?」らしい。

この季節は、紅葉の時期のような華やかさはないが、それでも朝早い時間の黒々とした威容は、巨大な墨絵のように眼前に広がる。その綽名には、何かの由来もあるのだろう。かつての旅人も私同様鏡岩の威容に畏怖の念を持ってこの地に立ち止まり岩壁を見上げただろう。

この鏡岩を回り込むように旧道が久慈川沿いにあり、旅人らはこの巨大な岩壁の圧力を背中に受けるようにして道を下ったのだろう。現在は、この鏡岩にトンネルを通し、国道を走る車は、あたかも岩壁の腹に飲み込まれるようにトンネルに入って行く。写真を撮り終え、私も一抹の恐れを抱きながら、岩壁のトンネルに入った。

久慈の町に入り、久慈城跡を探索し、道の駅で朝食をとった。久慈にはかなり前に来たことがあるが、その当時と比べて、町中は新しくきれいになっている。特に、道の駅は、他の地域では郊外にあるのが一般的なのだが、この道の駅は町のど真ん中にあり、この地の町おこしの中心的な存在になっているらしい。

この道の駅で休憩し、琥珀博物館に行くための時間調整をした。久慈は国内の琥珀の産地として有名だ。江戸期には南部藩の貴重な財源になっていたはずだ。
琥珀は宝石らしくない宝石だ。一般に宝石は装飾品として用いられることが多いが、琥珀はそれ以外に、私の知っている範囲でも、漢方薬や香としても使われているはずだ。他の宝石と比較して、決して高価ではないが、ダイヤやルビーなどの「鉱物の固さ」だけではない「柔らかさ」に魅力を感じていた。

博物館は、国道281号線から少し南に入った林の中にあった。そこは嬉しいことにかつての採掘地の跡らしく、坑道の一部も公開されているようだ。どうやらこの日の一番乗りらしい。入館するとすぐに、「二つの太陽」の伝説をモチーフにした展示物があった。

琥珀はバルト海周辺で多く産出されるらしく、二つの太陽の内、小さいほうが地球に落下し、その破片が琥珀なのだという素朴な伝説である。また東洋においては琥珀は虎の魂が石になったものとか、龍の血が石になったものとか伝えられているそうで、これらの伝説は琥珀独特のものだろう。
博物館には、琥珀の原石や工芸品が展示されており、その展示は素朴だがなかなか楽しめた。中でも、「龍の血」とされる真っ赤な琥珀の原石で、これだけでもここを訪れた価値があったと思った。

ただ少々その展示の「素朴」さに驚いた。それは、琥珀を直接手にして楽しめるコーナーがあるのだが、そこには手のひらほどの琥珀が、細いチェーンだけついて展示されていた。それはこの地の方々の純朴さを現すものではあるが、訪問者が善意の人間だけとは限らない。この地の純朴さを踏みにじるような輩が現れないことを願うばかりだ。

琥珀博物館から久慈の町中を通り抜けて、小袖海岸に向った。天気は小雨模様で、風も時折強く吹き、荒れ模様になってきた。天気予報では、今日一日はこんな天気らしい。もちろんこの程度のことで断念するつもりはさらさらなく、かまわず車を走らせた。

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