2012/02/02

 

歴史散策⇒由良海岸

寒気が日本をすっぽり覆い、昨日から山形は大荒れだった。新庄から庄内に向う道は、折悪しくその中でも最悪の状況になっていた。新庄での仕事を終えて国道47号線を庄内に向って走ると、最上峡谷を走り抜ける風雪は、うなりを上げて車のウインドウを叩き、車内のヒーターで溶けた雪はすぐにワイパーに凍りつく。進路方向から吹き付ける暴風は、国道の雪を舞い上げ渦をまき、時折視界をまったくうばってしまう。

今回の旅では、当然のことながら写真の撮影などは諦めていた。夕刻に入り国道7号線に入ると、日は落ち、風雪はますます凶暴に吹き荒れ、除雪も追いつかないようで、あちこちに吹き溜まりができて、車が突っ込み立ち往生していた。きわめて危険な状況だった。

鶴岡まではほんの10Km位の距離だったが、この危険を回避するため道の駅に入った。風上に向けて駐車し、休憩している間にも風雪はますます強くなり、雷もなりはじめた。ときおり雷光に青白く光る渦は、昔であれば旅人をあっというまに奈落のそこに引き込んだのだろう。この日は、道の駅に感謝し嵐の中の車中泊となった。

翌朝、風雪はやんでおり、国道も昨夜の吹雪の中で懸命な除雪作業が行われたのだろう、昨夜とは打って変わって圧雪状態ではあるが快適だった。天気予報では一時的な晴れ間のようだ。仕事は手早く、昼少し過ぎには片付けた。

空は嘘のように青空になっていた。こうなると昨日の危険な状況の中では姿を現すことのなかったいつもの放浪癖が頭をもたげ始めた。道路マップを見ながら昼食を食べ、庄内で、比較的短時間でまわれるポイントをさがした。こんな状況下でも放浪癖が出てくる自分に少しあきれながらも、勇躍まだ通っていない、由良から湯野浜までの道を走ることにし、国道7号線を南下した。

街中を通り過ぎると、道は良く除雪され、青空の中白い山並みを眺めながら心を浮き立たせた。由良海岸で雪の弁天島の写真を何枚か撮り、日本海沿いの県道を湯野浜に向かい北に走った。海は時化ており、海岸の岩に高波がぶつかり、ときおり道路にしぶきを散らせる。しかし、空は青く澄み、途中からは鳥海山も臨めるようになった。心配だった道も除雪され圧雪状態で快適そのもので、さすがにこのような天候で走る車も少なく、随所で車を停めて写真を撮ることができた。

まだ暴風雪警報が出たままだが、昨夜の旅人を飲み込むような風景ではない。海は威圧するように幾重にも高波を寄せているが、日は輝き、青空は澄み渡り、その姿は凜として美しかった。

災害をもたらす自然と、感動と恵みをもたらす自然とは、その違いは紙一重なのだろう。風雪がもどった帰り道、車を走らせながらそんなことを考え、風のうなる音を楽しむ余裕ができていた。

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